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中央線車内での見知らぬ老人とのひと時

by Teppei

幼い頃から、祖父母に育てられたと言っても過言ではないほど、おじいちゃんおばあちゃん子だった。

その影響なのか、電車のなかで頻繁にご老人に声をかけられる。道に迷った外国人は絶対に話しかけてこないし、困っている若者も誰も声をかけてこない。にも関わらず、何故か年配者には人気があるらしい。今日も中央線のなかで隣に座った82歳のご老人に話しかけられ、中野あたりから四ッ谷までの道のりを共に過ごした。

3月10日と3月11日

会話のなかでしばしば「あの3月10日で私の人生は変わった」という話を伺った。学の無い私には、てっきり3月11日(東日本大震災)の間違いでは?と思って頷いていたのだが、どうにも話の辻褄があわない。

しばらく聞くうちに、3月10日は第二次世界大戦最中の東京大空襲の日だったと気づく。そのご老人は、あの大戦でアメリカに対して言葉に成らないほどの強い敵意を持っていたけれど(ご自身も空襲の影響で脚を負傷された)、戦後は図らずもアメリカから日本へ最初のコンピュータを輸入する仕事に携わり、敵意から敬意に変わったという。

82歳で現役を引退された現在でも、iPadやiPhoneの動向には興味をもたれているようで、私の持っていたiPad miniのアプリにあれこれと質問された。東京の電車内で他人と会話をすることは滅多にないけれど、こういう触れ合いは嫌いではない。

最後に名刺をお渡しし、つかの間の楽しみに御礼を言い、お別れした。副社長に就任して、初めて渡した副社長名刺はこのご老人だった。

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